祝祭と予感(恩田陸)

「蜜蜂と遠雷」のスピンオフと言うことでかなりの期待を持って読み始めたのですが、その期待を裏切られることがなかったどころか上をいく内容でした。
まずはこの6つの話の並び順のうまさ…
「蜜蜂と遠雷」の続きとして自然な流れで亜夜とマサル、そして塵の登場。
『祝祭と掃苔』
これからまだまだ彼らの人生という物語は続いていくのだろうな、と思わせる、始まりを感じました。
『獅子と芍薬』
ナサニエルと三枝子の物語。
ああ、この子がああいう大人になったのか。
その人生の途中にはいろいろなことがありその都度彼女らしい喜怒哀楽を見せてきたのだろうな、と思いを馳せました。
『袈裟と鞦韆(ブランコ)』
芳ケ江国際ピアノコンクールの課題曲「春と修羅」が創作秘話。
本編は曲を表現する者の苦悩がメインであったけど、この話は自分の中に生まれた音楽を表出させることについての苦悩とでも言ったらいいのでしょうか。
その人はいなくなっても心を受け取るものがいれば生き続けることができるんだな…なにもそれは音楽に限ったことではないのだけど。
『竪琴と葦笛』
その人の表現にはその人の人生が裏にあり底にあり陰にある。
才能がある人物であっても、人との出会いがその才能を大きく左右することもある。
自分にとって良い出会いができるか否かというのも才能の一種なのでしょうか…
『鈴蘭と階段』
私が本編で一番その後が気になっていた奏が登場。
しかも正にヴィオラに転向してからそのことが固まるまでの経過が描かれていました!
ヴィオラという楽器をよく知らない私にも楽器との出会いの重要さが伝わってきて、奏でのヴィオラの音を聴いてみたくてたまらなくなりました。
『伝説と予感』
そしてラストにこの話を持ってくるとは…
ひと言でいうなら、天才同士の邂逅。
そしてギフトは世に出され数々の人の心を動かした…と。
本編につながるわけですね。
そして本編を読みなおすと再びこちらを手に取りたくなる、と(笑)
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祝祭と予感

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