調律師(熊谷達也)

あとがきにあるように、作者がもともと想定していたのとは違う物語として完成を迎えた作品であり、予めそのことを知ってから読み始めましたが、これはこれでいいのではないかと思いました。 『少女のワルツ』 短い中にきちっとした起承転結があり尚且つ物語の序章として設定が分かりやすく組み込まれておりさすがの印象。 『若き喜びの歌』 共感覚を生…
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ベンのトランペット(R.イザドラ作/絵・谷川俊太郎/訳)

なんてカッコいい絵本なんでしょう! ジャズが、特にトランペットがカッコいいジャズが聴きたくなります。 成長したベンの演奏を是非聴いてみたいです。 【すぐに使えるクーポン有!2点で50円、5点で300円引き】ベンのトランペット (あかねせかいの本 7)/あかね書房/レイチェル・イザドラ 【中古】 - BUY王楽天市場店ベンのトランペ…
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第164回直木賞候補作についての個人的ランキング

第164回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 芦沢 央『汚れた手をそこで拭かない』(令和2年/2020年9月文藝春秋刊) https://50595192.at.webry.info/202102/article_5.html 伊与原 新『八月の銀の雪』(令和2年/2020年10月新潮社刊…
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アンダードッグス(長浦京)

世界規模のミステリーでありながら個人単位のドラマもあるという密で壮大な物語。 自分の意志とはやや違う部分でとんでもないものに加担することになり続けたコバが、殺人を目の当たりにし続けやがて自らも手を下すようになり、悪に染まり続けていくのかと思いきや…やはりコバはコバだった。 救われない話なのに救われる不思議。 いつの世も、直接手を下…
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さくら村は大さわぎ(朽木祥/作・大社玲子/絵)

訪れたことはないはずなのにどこか懐かしいさくら村。 人の心の中にある、失ってはいけないあったかい気持ちがつまっている物語です。 大きな事件は起こらないのですが、だからこそ親近感がわくのかもしれません。 日常の小さなほっこりする出来事は心をあっためてくれますね。 さくら村は大さわぎ [ 朽木 祥 ] - 楽天ブックスさくら村は大さ…
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ショートショートドロップス(新井素子・編)

ショートショートってあまり得意ではないのだけど、収録されている作家さんが気になって手に取りました。 通常より長めのまえがきがあるのですが、きちんとここから読むことをお勧めします。 『初恋』(矢崎存美) どうやらこのぶたぶたさんはシリーズであるらしい。 だから?初対面じゃない気がします。いや、初対面でも親近感を抱かせるのがぶたぶた…
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オルタネート(加藤シゲアキ)

直木賞候補なので読みました。 なので候補作という観念から以下の感想を書きます。 話の素材は面白いとは思うのだけど、至る所が読みづらい。 まずは名前。読みづらく覚えづらい。 わざわざこんな名前を羅列する意味は? 今時風を出したいにしても名前をキラキラネームにしなくてもいくらでも出せるだろうし出してこそ作者の手腕のような気がするの…
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第162回直木賞候補作についての個人的ランキング

第162回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 小川 哲『嘘と正典』(令和1年/2019年9月早川書房刊) https://50595192.at.webry.info/202007/article_2.html 川越 宗一『熱源』(令和1年/2019年8月文藝春秋刊) https://50…
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落日(湊かなえ)

序盤から、千尋の姉が物語に大きく絡んでいるのだろうな、とは感じるように描かれてはいたのですが… エピソード7を読んで号泣。 湊かなえさんってこんなに救われる小説を書く方でしたっけ? よく、映画やドラマは事実をもとにしてても所詮は作り物って言われるけど、現実だっていとも簡単に間違って伝えられてそれが事実として伝えられてしまうことなん…
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推し、燃ゆ(宇佐見りん)

冒頭、あまりにも無駄のない文章に驚愕。 無駄な装飾がないせいかむしろ物語の風景がよく伝わってくる。 そして物語そのものは…うーん、私はやっぱり芥川賞系は苦手だな、と。 推しも推しが燃えたのも物語の筋運びとしては重要なんだけど、本当に語られてることはそこじゃない、と言うのが。 推す、という感情を小説上うまく扱ってるな、とは思いまし…
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八月の銀の雪(伊予原新)

人の手が及ばない地球上の事実と人間心理をからめて見事に無駄のない物語としてそれそれが完成されていました。 とてもとての私好みの一冊でした。 『八月の銀の雪』 世の中には知らないことがたくさんある。いいことも悪いことも。身近にあっても知ろうとしなければ永遠に知らぬまま。もしかすると知らなくても困らないのかもしれない。でも知った方が人…
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インビジブル(坂上泉)

戦後9年が過ぎてもまぁ終わらない戦後。 大阪を舞台に起こる事件とその解決に奔走する者たちの物語。 犯人と思しき人物の人生が平行して語られるため、この人物が本筋にどう絡んでくるのか考えつつ読み進めると… 大事件の真実が分かれば分かるほどなんとも複雑な気持ちが湧いてきます。 実在の人物や実際の警察体制の変更を絡めてうまく描きあ…
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心淋し川(西條奈加)

読み始めてすぐに、これは納得の直木賞だな、と思いました。 とは言っても全部は読んでいないのですが。 いや、全部を読んでいなくてもそう思うほど完成度が高いと思いました。 短編が積み重なって一つの大きなドラマが作り上げられており圧巻! 『心淋し川』表題作。舞台となる人々の住まいにある川とその由来など、この先の物語の基盤となる物語であ…
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汚れた手をそこで拭かない(芦沢央)

短編集。 本のタイトルと同名タイトルの作品がないので「どういう意味なのかなぁ」と興味深く読みました。 結果、汚れた手をそこで拭かない、と言うよりは、汚した手をそこで拭かない、の方が近いかな(自分、細かいな) 『ただ、運が悪かっただけ』 語り手の旦那様は、運が悪かったとは言えないような、運が悪かったと言うには足らない気がします。 …
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雲を紡ぐ(伊吹有喜)

いろんなものが魅力的過ぎてなにからどう書いていいのか分からなくて嬉しい困惑に心をもみ洗いされています。 自立って経済面が重視されがちだけど実は精神面のほうが生きていくにははるかに重要なんですよね。 「分かり合えない母と娘」のコピーに、世の中には分かり合えてる母娘が多いのになんでうちは…と思い続けていたのを思い出しました。 別に血を…
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いつの空にも星が出ていた(佐藤多佳子)

一つのプロ野球チームの歴史と戦績からこんなドラマを生むことができるなんて!とまずは感激。 そして、あとから振り返る思い出(特に青春)を描くのが本当にうまいなぁ、と感心しきり。 過去を振り返って思い出として描く、ではなく、あとから思い出として振り返る人生を描くのがうまいといいますか…。 『レフトスタンド』こじんまりとした物語ですが、…
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きつねのうみほおずき(しみずみちを・作/梅田俊作・絵)

うろおぼえのお話をもう一度読みたくて探していて行き当たりました。 うみほおずき、よみせ、おんなのこ。 このみっつのキーワード。 読み終えて、これだったような気がする、と思うと同時に、違ってもこの一冊に出会えてよかった思いました。 穏やかに、静かに流れるような物語。 『こんどのえんにち』はこれから何度もやってくるのかな。 だと…
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そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)

設定は作り物的だし、登場人物も然り。 なのに登場人物の心の在り方や動きに全く無理を感じないのは、文字には表されていない一人一人の個性がきちんとベースにあり、それに基づいてそれぞれが言葉を発し行動しているからなんだと思う。 この設定でなければならない、この登場人物たちでないと紡げないとても丁寧な作品だと思いました。 家族っていったい…
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メロディ(くすのきしげのり・作/森谷明子・絵)

みかえしに書かれているあらすじでお話の全容はほぼ知れてしまうのだけど、うるうると涙が。 音楽ってずっとそこにあるけど離れちゃうときもある。 お話はシンプルなのに優しいトーンの絵が手伝ってかピアノの思いや気持ちがずんずん伝わって来ました。 子供の頃に習っていたピアノをやめてしまった大人の方割といると思うので、この絵本は実は今でもピア…
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背中の蜘蛛(誉田哲也)

今という時代ならではの作品。 昔であればSFのジャンルの入れられかねないが今ならとてもリアル。 この内容を是と思うか非と思うか、正しく使えるか否かは結局のところ人間というアナログなんだな、と思うと難しい。 犯罪と犯罪抑制のシステムはいつの時代もいたちごっこなのだろうけど、だんだん煩雑にそして難解になっているのでしょうね。 良くも…
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