怒りのぶどう―スタインベック全集(6)(ジョン・スタインベック/著)

世界恐慌下に於いて農場はより財力のあるものたちに買われ、アメリカ、オクラホマに暮らしていたジョード家は生活の場を追われてしまいます。
西へ行けば仕事がある。仕事にさえ就ければ未来は開けるはず。
そう信じた移民はジョード家だけではなく、その数はハイウェイが車で埋め尽くされるほど。

重かった…なんとも救われない出来事の連続。
けど生きていかなくてはならない人々。
選ぶというよりは、追われて選ばざるを得ない状況下で必死に生きる姿は読んでて胸が痛かったです。
それでも希望を持ち続けようとするマーの強さは鋭く輝いていました。
姿を消したトム。彼の行く末は暗くないと信じたいです。
いえ、例え彼の行く末が暗かったとしても、暗い時代を動かして欲しいと思いました。
けど、時代を動かした人物は殺される、という下りもあり、ジョード家の明るい未来を描くの難しいです。
いや、やはり、命を懸けたトムが、自分の家族を含めた移民たちの生活を少しでもいい方向にかえることを、彼にはその力があることを信じたいです。
いろいろな言葉やセリフが出てきますが、一番印象に残ったのはここ。
おじいさんが亡くなり葬られたときにケイシーが言った言葉です。
「ここに眠る老人は、ただ生きて、その一生をまっとうされた。善い人間だったか、悪い人間だったか知らないが、そんなことは大した問題ではない。この人はじっさいに生きていたのであり、それが大事なことなんだ。そしていま、この人は土に帰られた。このことは問題ではない。かつて、ある男が一篇の詩を読むのを聞いたことがある。その男はいった。『生きているものはすべて尊い』と。(以下略)」

スタインベック全集 (6)
大阪教育図書
スタインベック

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