ビューティフル・ネーム(鷺沢萠・著)

鷺沢氏、大好きです。著書もたくさん読んでいます。
なので、この本を読んだら終わってしまうのだと思うと悲しくて、なかなか手をつけられずにいました。

読んでる最中から真っ先に感じたこと。
それは、「あー、初期頃の作品に似てるなあ」でした。
確か、在日の自己存在認識に関する物語でデビューされたとおもうのですが、その後もしばらく若者の漠然とした自己存在認識をテーマに作品を描かれていたと記憶しているのですが…その頃の作品に似ているな、と思いました。
「葉桜の日々」「スタイリッシュキッズ」など。

もしかすると、鷺沢氏ご本人の、人生のテーマそのものだったのかもしれませんね。
結果的に『晩年』になってしまった頃に作品のカラーがここに巡ってくるなんて…これからまだ深く優しく強い作品たくさん書いたのだろうなあ、と思うと、改めて鷺沢氏の早世を惜しいことだったと思いました。

『眼鏡越しの空』は、小説にしてはメッセージ性が強すぎてあまり入り込めなかったけど、

『故郷の春』のラストはほろりと来ました。
アボジはきっと、病室から見える月に、故郷でいつか見た月を重ね合わせていたのでしょうね。

『ぴょんきち/ちゅん子』は未完ですが、主人公はおそらく『眼鏡越しの空』に出てきたチュー先輩ですよね。
彼女にはとても魅力を感じていたので最後まで読みたかったです。
彼女がどんな価値観を持って生きている女性なのか、彼女をどんな価値観を持った女性として鷺沢氏が描こうとしていたのかとても興味深いです。

『春の居場所』も未完です。
未完なのでなんとも言い切れないのですが、私の中では『大統領のクリスマスツリー』『さいはての二人』と同じカテゴリーに入りそうです。

にしても…
年上の鷺沢氏を追い抜いちゃったよ…

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