VS(矢口敦子・著)

人間の深い心の底の描写が丁寧で、序盤から引き込まれました。

VSがなんであるのか、明かされるのは最後の最後ですが、この本のテーマが凝縮されています。

一人ひとりの人生の背景が丁寧に描かれていて、発言や行動の一つ一つに納得がいく。

が。
物語のメインになっている事件の、キーとなった人物の背景だけがとても曖昧で、解せなさが残ってしまった。
根岸の目的や深層心理をきちんと描いて欲しかった。
なぜ彼だけが宙ぶらりんなのか?
作者の意図なのだろうか。
そのせいか、恵哉の動機を薄く感じてしまった。

それから、筋とは直接には関係ないのだけれど、作者の意図の一つだろうか、主要人物の女性二人の名前(木綿子、絹恵)に関連性があるところに、二人の縁を感じさせられました。

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