理由(宮部みゆき・著)

宮部作品はファンも多いし私も大好きなのですが、長編に抵抗感がある人は脳が”こり”を感じて疲れてしまうかもしれません。
登場人物一人一人の人生や背景を丁寧に描く作家さんなので、それを受け入れられる否かが宮部作品を支持するかどうかに大きく関わってくる気がしますが、この作品はその部分がとても強く出ていると感じました。
登場人物がとても多く、その全てが自分の人生を大切にし、懸命に生きている様が描かれています。その様子は、他人から見ると間違いだったり滑稽だったりもするのですが…。事件は血なまぐさいですが、人間ドラマとして楽しめると思います。
読後感は、決してすっきりさっぱりという感じではありませんでしたが、喜怒哀楽を感じながら生きている今この自分の人生も、引いて見てみたらきっと何かの出来事のほんのひとコマ、他人の人生の背景にすぎないんだろうなあ、といい意味で自分をクールダウンさせてくれた作品でした。

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