十二人の死にたい子どもたち(冲方丁)

素材が興味深いだけにもったいなかったかなあ、というのが一番の感想です。
自分が解決できないと思っている悩みや現実、逃避したい出来事や現実を、最終的に死にに来た場所で出会った人たちが解決の糸口を提案してくれたり、緩和の手助けをしてくれるというのはなかなか良いオチだと思うのです。
確かに子供の世界って狭い。
狭い中で必死になっている子供たちや、その世界を捨てたり壊したりしようとする子供たちの物語はいくつもあるし読んできましたが、この角度はなかったので『集い』という形は斬新でいいと思うのですが、その素材を生かし切れていないような?
アンリという人物を登場させることによって、死を選ぶということは自分が自分であるためのものであり誰のものでもないという思いや、誰かの死を誰かの利益に利用してはならないという部分があぶり出されていてそこはとても興味深く感じました。
なのにラストに至るまでがところどころなんだか冗長な感じがしてしまい、読み切ってしまえばいいのですが、途中ちょっと集中しがたいというか気が散ってしまう部分がありました。
今の子供たちは、あふれる情報の中で溺れているんだろうな、と思う反面、溺れて流されてしまうからこそ、自分のいる小さな世界の外を漂うこともあるのだろうし、自分の小さな世界の外に触れるよい機会に恵まれればそこに最高の浮輪を見つけることができるのかもしれないと思いました。

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