ハング・ルース（鷺沢萠）

鷺沢作品にどっぷりはまったころに買い集めた作品の一つを再×n読。
この作品を一つのパズルとするならば、すべてのピースがバラバラで好き勝手な方を向いて取っ散らかっているのにもかかわらず、それらが何か一つのものを描いているという印象です。
傍から見れば毎日をダラダラと、ユニやフェイスにしてみればその日その日をそれなりに一生懸命過ごしているのだと思う。
脇を固める人たちは、なんとかなる、なんでこうなったんだろう、という道を彼らよりさらに先を生きていているか、フェイスが一時憧れたような普通に働く生活からちょっとガス抜きにこっち側に足をつっこんでいるかしている人たちのどちらか。
明らかにガス抜き組の誓子とフェイスは交わってはいけない線と線、だけどだからこそ惹かれてしまった線と線なんじゃないかと…
恐らくユニはフェイスと同じ体温を持つものなんだろうな。
決してフェイスの肩を冷たいということはないでしょうね。
でもだからと言って彼らが幸せになれるとは思えないところが切なくもあり致し方なくもあり…

ハング・ルース (河出文庫―文芸コレクション)
河出書房新社
鷺沢 萠


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著者：鷺沢 萠出版社：河出書房新社サイズ：その他ISBN-10：4309008011ISBN-13：


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