青の炎(貴志祐介)

私が思う小説の結末の禁忌として、主要人物の死オチというのがあるのだけど、この作品に関してはアリだと思いました。
最後の最後まで家族を思い続けた秀一の気持ちがやるせない。
(とは言っても、秀一が死んでしまったという記述はないのですが)
もとを糺せば、母親が子供たちに核心を語らなかったことがすべての発端と言ってしまえるかとも思うのですが。
弁護士に相談に行くまでした時点で息子に真実を伝えるべきだったのではないかと思うのですが、何も言わないあたりで子供を信頼してなかったのか、もしくはまだまだ子供だと高を括っていたのか。
いずれにせよ自分の子供を一人の人間として見てなさすぎだな、と。
自分が母親なせいか、筋そのものよりもまずはこっちが気にかかってしまって…
友人たちへの言動や自分の犯行計画にいちいち名前をつけるなど、ところどころに自分の優秀さに酔っている秀一が描かれているのだけど、なんか憎めない危うさというか正義感というか…も感じられて、結果として結末が腑に落ちるとともにやるせない。
人を殺す内容で、秀一のやったことが正しいと言ってはいけないとは思いつつも、家族を守る気持ちが強すぎて起こしたことならしかたないと思ってしまう自分もいます。
まあ、家族を守るという大義名分も、元を糺せば自分の生活を変えたくないという利己からくるんですけどね。
でもただ一つ、決定的に秀一が間違っていたと思うことが。
それは紀子への思いだと思っています。
君は本気で紀子に惚れていたと思うよ。
たぶん、再会したそのときから。
もしかすると最初の出会いの時から。

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  • 『き』から始まる作家さん

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