ライ麦畑でつかまえて(J.D.サリンジャー/著・野崎孝/訳)

再読。初読みは二十歳の頃。
誰の中にもあって、大抵の人がフタをしている、人間が本来持っている弱くて堕落した部分が描かれていると思う。
社会の一員として生まれ、社会の一員として育てられれば、身につけることができる社会性。
その社会性をうまく身につけることができないまま大人の手前まできてしまい、否定して戸惑って生きているコールフィールドは、真っ当な大人の目から見れば真っ当ではないのでしょう。
『僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ』
思春期、誰もが危ない崖に立っているのだと思う。
だけどほとんどの人がそのことに気づかぬまま足を踏み外すことなく通り過ぎてゆく、そしていくばくかの人間が、崖だと気づかぬまま足を踏み外してゆくのだと思う。
そして稀にその崖に気づき、崖が気になってしまって、崖だけでなくそこを行過ぎる人が無事に行過ぎれるか仕方のない人間がいるのだ。
いっそのこと落ちてしまったほうが楽なのか…?
ライ麦畑でつかまえて。
コールフィールドはつかまえたかったんじゃなくてつかまえられたかったのかな。
そしてフィービーは、つかまえることが、できたのかな。

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
白水社
J.D.サリンジャー

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




ライ麦畑でつかまえて [ ジェローム・デーヴィド・サリンジャー ]
楽天ブックス
白水Uブックス ジェローム・デーヴィド・サリンジャー 野崎孝 白水社発行年月:1984年05月 ペー


楽天市場 by ライ麦畑でつかまえて [ ジェローム・デーヴィド・サリンジャー ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 『し』から始まる作家さん

    Excerpt: シーナ・アイエンガー  選択の科学(櫻井祐子/訳)  http://50595192.at.webry.info/201205/article_6.html 椎名誠  なつのしっぽ  htt.. Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2013-06-27 13:15