国を蹴った男(伊東潤/著)

歴史の教科書に名を残すような人生でなくても、日本史の一部を担ってきた思われる人物はたくさんいることでしょう。
そしてそういう人たちの記録は恐らく少なくて、想像すればするほどおもしろく興味深い面が多々あるのだと思います。
いつの時代も人は人とのかかわりの中で試行錯誤してきた生き物ですから、大きな決断の影には名もなき人々がいて、その人たちの言動が少なからず歴史上の決断に影響していたと考えるのはごく自然なことと私は考えます。
そんな面白さをうまくつかんだ一冊だと思いました。
『牢人大将』
どんな生まれであろうと、決められてしまった生きる道であろうと、全うするのが己の生きる道、という考え方はできるようでできないものであると思う。
『戦は算術に候』
道筋は複数あってもたどり着く答えは一つ。
それが数学(算術)の魅力なんだと思う。
それに反して一つの戦いについての戦術は星の数ほどあり、結果もまた然りである。
それはビジネスにおいても同様。
「算盤がいかに正しき答えを弾き出しても。それが正しいか否か、疑ってかかる必要がある」
当たり前だけど忘れがちで深い言であると思う。
『短慮なり名左衛門』
戦国時代、何を信じたものが勝者であったのか…
『毒蛾の舞』
歴史の影に女あり。
『天に唾して』
利休ファンとしては、脇でありながら主要な役割を演じているこの一編はかなりツボ。
ラストの行動は宗二を思ってなのか国を思ってなのか秀吉の横暴振りを見かねてなのか…思うところ多し。
『国を蹴った男』
世を動かしたいと願う人物にとっては羨ましい境遇でありながら、その性質資質ゆえに運命に翻弄されてしまう氏真。
だがその生涯は結果的には幸せだったのか?
家康に見捨てられたことによりやりたいことができ、その家康により開かれた江戸幕府によって生活を守られたのであれば。
ただ、その運命を導いたともいえる五助のことは生涯忘れなかったと信じたいです。
国を蹴った男
講談社
伊東 潤

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 国を蹴った男 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




国を蹴った男 [ 伊東潤 ]
楽天ブックス
伊東潤 講談社発行年月:2012年10月 ページ数:295p サイズ:単行本 ISBN:978406


楽天市場 by 国を蹴った男 [ 伊東潤 ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 『い』から始まる作家さん

    Excerpt: E=ジャック=キーツ  ピーターのいす  http://50595192.at.webry.info/200711/article_16.html 飯野和好  絵本の作家たちⅠ  http:.. Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2013-04-28 08:57
  • 第148回直木賞候補作についての個人的ランキング

    Excerpt: 第148回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 有川浩人気はすごいですね。 図書館の民なの『空飛ぶ広報室』でこんなに遅くのアップとなってしまいました。 Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2013-09-07 16:59