雪明かり(藤沢周平/著)

人と人との気持ちの行き違い、善意の行き違い、思いの行き違い、そんなものを題材にした現代物は読んだことがあったのですが時代物は初めてでした。
時代が違っても、人の思惑の行き違いや思惑の読みあいは、読んでて滑稽だったり切なくなったりしますね。
『恐喝』
竹二郎には選びたい人生があり、その人生を選ぶ機会はゼロじゃなかったと思います。
が、そのためには超えるもの振り切るべきしがらみなどが多すぎた…のか?
彼に足りないものはなんだったのだろう?
それともどうにもならない運命だったのだろうか?
『入墨』
卯助の正体がいまひとつつかめないまま物語が終わったため、うすら寒い感じとすっきりしない感じが残りました。
物語の最初から最後までの卯助の心の動きは推して量るしかなく…何をどこまで覚えていたのかも、どんな心の動きからとった行動なのかも分からず…でもこのすっきりしなさ感がたまらなくいいです。
『潮田伝五郎置文』
ラストの七重の描写と男の愚かさに失笑してしまったのは私が女だからか…
『穴熊』
落ちるのは簡単。
這い上がるのは困難。
それが人生と言うものなのか…
『冤罪』
始まりは打算だったとはいえ、これは救われる感じがします。
『暁のひかり』
誰かの善意が受け取る側の状況や気持ちによっては悪意に変わることもある…歌野晶午さんの「春から夏、やがて冬」を思い出しました。
『遠方より来る』
曾我平九郎は、見掛け倒しで世を渡ってきたけど、中身がついてこなくていつも渡りきれない人なんだろうなあ。
反して、身の丈にあった人生をひとつひとつセレクトして生きてきた三崎甚平は出世をつかむ。
ありのままで生きるというのは大事なこと?でも虚勢もはらなきゃ人生に必要な勝負も打てないよね…
『雪明かり』
決してハッピーエンドではなく、むしろ苦難の始まりかと思うときゅんとします。
でも決して不幸にはならないはず。
そう信じます。

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  • 『ふ』から始まる作家さん

    Excerpt: 方軼羣(ファン・イーチュン)  しんせつなともだち(村山知義)  http://50595192.at.webry.info/201207/article_4.html フィービ・ウォージントン.. Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2013-02-23 17:19