テーマ:直木賞候補作品読んでます

孤狼の血(柚木裕子)

女性でもこんな作品を書くんだ!というのが序盤の印象。 そして隠し味のような繊細さが、ヤクザと警察のドロッとしたところにさらっとした印象を与えていて重苦しいながらもさらさらと読めました。 章の最初に書かれている日誌になぜわざわざ削除とあるのか、謎が解けたときには、孤狼の血は受け継がれていくのだな、とちょっとワクワクしました。 正義と…
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戦場のコックたち(深緑野分)

プロローグと五つの章とエピローグで構成されているのですが、第一章の『ノルマンディー降下作戦』はあまりページが進まず、第二章の『軍隊は胃袋で行進する』の途中で「これって戦場推理小説?」って思い、第三章の『ミソサザイと鷲』で描かれている話の重苦しさに読み進めるのがしんどくなり、第四章の『幽霊たち』で戦争っていったいなんなんだろう?と漠然とし…
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羊と鋼の森(宮下奈都)

読み始めてすぐのところでタイトルの意味を知ってぞくっとしました。 なんてすばらしいタイトルなんだろう!と。 感想からはちょっと外れますが、私は子供の頃からピアノの音が好きで、習いたくて、でも習わせてもらえず、20代半ばになって2年ほど習ったことがあります。 ですが、住宅事情によりピアノを持つことはなく、キーボードで練習をしていまし…
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ヨイ豊(梶よう子)

自分の興味のないジャンルの本を面白く読める直木賞候補作に感謝。 終盤で明かされるタイトルの理由に驚きました。 そして話の落ちどころにも。 まさか芸術を崇高する人の心持にまで触れるとは。 食うために書く画がなぜ悪い。 芸術家だって作品が高値で売れたらそれで生活するくせに、って思っている私としては前原氏にイラッとしつつ、雅之助もっ…
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つまをめとらば(青山文平)

苦手分野なわりには読みやすかったですが、短編集ということもあってか読み終えた直後なのに内容がほとんど思い出せない感じ。 全体をひとことで言ってしまえば、男はしょせん女ありき、って感じでしょうか。 でも、それにしては今一歩驚きが足りないというか納得させる何かが足りないというかなんというか。 直木賞候補(現時点では受賞作発表前)なので…
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第153回直木賞候補作についての個人的ランキング

第153回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 門井慶喜『東京帝大叡古教授』(平成27年/2015年3月小学館刊) http://50595192.at.webry.info/201509/article_12.html 澤田瞳子『若冲』(平成27年/2015年4月文藝春秋刊) ht…
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永い言い訳(西川美和)

幸夫の利己的なところも、故の破壊的なところも憎めません。 自分の存在意義が分からない人っていうのは、他人の存在意義にも気づきにくいものなのではないかと。 夏子はなんのために自分の生活の中にいるのか、その理由が分からないまま死という形で去られてしまったあとの幸夫の気持ちのやり場のなさ。 ずっと直視しないで来た、なぜ夏子が自分の生活に…
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ナイルパーチの女子会(柚木麻子)

色んな意味できっつい話でした。 今はさすがにそれなりに学習しましたが、もともとは人との距離感がつかめないほうなので、若い頃に読んでたら胸がキリキリしたかも。 結局のところは、女同士の関係に正解とかないんだと思います。 打算でなりたってるのも、愛想よく接して陰口をたたくのも、そういう関係に交わることができずに一人でいるのも、どれも女…
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若冲(澤田瞳子)

歴史はもとより美術史にも疎いので、若冲について予備知識のかけらのないまま読了。 感想を書く段になって調べたところ、生涯妻は娶らなかったとか。 ということは、枡源とのしがらみや異母妹である志乃は存在しなかったのであろうか。 そう思うと、作者の想像力と創造力には深く感嘆します。 前述したように後手で若冲を調べたのですが、確かに若冲の…
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東京帝大叡古教授(門井慶喜)

最近、歴史を扱ったライトな小説が増えたなあ、と思うのですが、ただ単純に私が雑食読みをするようになっただけかしら? 扱ってる人物や時代や素材がヘビーな割にはサクサク読めるのはいいのですが、このタイトルでいいのか?とちと不思議な気持ちです。 この中に出てくる阿蘇藤太(仮名)が国を動かす人物として成長するにあたって多大なる影響を及ぼしたの…
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アンタッチャブル(馳星周)

なんていうか…馳作品は『約束の地で』以来二作目で、あの作品が、底なしの暗さ、閉塞感、絶望感がない交ぜですごく好きだったのでそんな雰囲気を期待して読んだのですが…「アンタッチャブルだから」という椿警視と宮沢巡査部長のやりとりが、コントのお約束のセリフみたいに感じられれて個人的に腰砕け。 内容も重そうな割にはしっちゃかめっちゃかな感じがあ…
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第152回直木賞候補作についての個人的ランキング

第152回直木賞候補作についての個人的ランキング 第152回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 青山文平『鬼はもとより』(平成26年/2014年9月徳間書店刊) http://50595192.at.webry.info/201502/article_9.html 大島真寿美『あなたの…
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宇喜多の捨て嫁(木下昌輝)

宇喜多家に嫁いだ、若しくは宇喜多家から嫁いだ女が主人公の連作かと思ったら違いました。 宇喜多直家にまつわる短編集でした。 戦国の世はすべてがはかない。 何かに長けていることが不幸を呼ぶこともある。 はかなすぎる。 ※以下ネタバレあり注意です。 『宇喜多の捨て嫁』 宇喜多直家の四女・於葉の物語。 『無想の抜刀術』 宇喜多…
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悟浄出立(万城目学)

『悟浄出立』 西遊記の沙悟浄が語り手。 『趙雲西航』 張飛と趙雲の物語。 『虞姫静寂』 身代わり正妃から見た四面楚歌由来の場が舞台となった物語。 『法家孤憤』 ひょんな運命の悪戯から官吏となった京科から見た、同じ運命の悪戯で官吏となり損ねたと思われる荊軻の物語。 『父司馬遷』 娘の目から見た司馬遷の人生。 収められて…
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あなたの本当の人生は(大島真寿美)

本当の人生なんて決まってないに違いない。 本当の人生なんて自分で作り出すもの。 そう、物語のように。 だからきっと真実の人生もホリー先生によって描かれたんでしょう。 人は誰かに影響し、影響されて生きているんだなあ。 そうやって人生を編み上げていくんだなあ。 不思議ですとんと腑に落ちるというよりはうやむや感のある物語だけど嫌い…
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鬼はもとより(青山文平)

いざ藩札で藩政を立て直す物語が始まるのは中盤になってから。 さらに『鬼』というキーワードが出てくるのはもう少し先。 主のキーワードは武家と武士の生き方だと思うのですが、女が影のキーワードと思いました。 清明が最後に自決の道を選ぶのは物語に登場してそのキャラが分かってくるにつれて予想はついていましたが、珠絵の変化は意外でした。 物…
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第151回直木賞候補作についての個人的ランキング

第151回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 伊吹有喜『ミッドナイト・バス』(平成26年/2014年1月・文藝春秋刊) http://50595192.at.webry.info/201501/article_7.html 黒川博行『破門』(平成26年/2014年1月・KADOKAWA刊) …
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ミッドナイト・バス(伊吹有喜)

深夜バスの運転手さんが主人公ということで、勝手に男臭い文章をイメージしていたのですが、とっても繊細で丁寧な物語で、大泣きこそはしなかったものの、ところどころでうるうるしてしまいました。 深夜バスっていろんな人生を背負って走ってるんだなあ。 そして、そのバスを運転する人も人生を背負ってるんだなあ。 人間って、深く浅く、いろんな人と関…
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第150回直木賞候補作についての個人的ランキング

第150回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 『伊藤くんA to E』がなかなか回って来なくてこんな時期に。 柚木麻子さんの候補作、151回の候補の方を先に読むことになっちゃったし。 図書館の民なので致し方なし。 とはいっても時期外し過ぎ(汗) 朝井まかて『恋歌』(平成25年/201…
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伊藤くんAtoE(柚木麻子)

イマイチ意味が分からなかった…。 Cまで読んだあたりでは、ああAtoEっ少年Aとかそういう意味で、誰かの人生にその人にとっての事件をもたらした何某っていう意味なんだろうと思ったのだけど、思ったよりその章の主人公にとっての伊藤くんの存在が大きくなってきて「あれれ?」ってなってきて…。 で、最後まで読み切って思ったのが…みんな依存心が強…
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満願(米澤穂信)

ステージの異なる短編をいくつも編み上げられるってすごいなあ、とちょっと頓珍漢な方向に感心しました。 共通するのは激しく静かな内に秘められた願い。 『夜警』 自分のミスを隠すために手段を択ばない人間っているけど…人の命も手段の一つとしてしまえるって…でも現実にもいないとは限らず…その死が不審死として扱われなければ成功ってことですもん…
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本屋さんのダイアナ(柚木麻子)

今までに出会ったことのない面白さのある一冊でした。 そして、私が赤毛のアンの世界にはまれなかった理由がはっきりと分かった作品でもありました。 主人公のダイアナという名前がキーとなっているのですが、序盤には序盤のダイアナである意味があり、物語の結びには結びのダイアナである意味があり、さらには物語全体にもダイアナという名前に意味があるな…
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私に似た人(貫井徳郎)

読者の思い込みと言うか錯覚と言うか…を利用した作りになるほどとは思ったものの…真犯人を知って、何が言いたいのかちょっと分からない作品だなあ、と思ってしまいました。 子トベたちの、ゲーム感覚っていうんでしょうか?善意と思っている分たちの悪い、人の命を駒の一つくらいにしか思っていない上から目線の人たちによる心理操作の胸糞悪さを感じました。…
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男ともだち(千早茜)

序盤はあんまり好きな話じゃないかなぁ、と思ったけれど、まずは長谷雄の軽薄だけど影のあるキャラに惹かれ、読み進めるうちに神名の感性に惹かれました。 ともだちの関係でいれば失うことがない…そう思えるのはある意味幸せかな、と思いました。 ともだちでいても失うことはあると思うし。 でも、ともだちでいても失うことが怖くて怖くて…じゃ物語にな…
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とっぴんぱらりの風太郎(万城目学)

途中まで読むのが苦痛で苦痛で…まずは風太郎のキャラが好きになれなかったのが要因かと。黒弓が主人公だったらよかったのになーなんて思って読んでました。 ひさご様やらねね様が出てきたあたりで、こんなにすごい人たちが出てきてどうすんだ?と面白くなってきて、時代が時代だし、きっとハッピーエンドはないだろうな、とは思って読んでたのですが、それでも…
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王になろうとした男(伊東潤)

織田信長にまるわる人々の話。 歴史の授業のほんの数分で語られる本能寺の変がつまった一冊と言ってもいいのでは? 『果報者の槍』 毛利新助の桶狭間での活躍と、この時代の人物にしては珍しいその生き方考え方(だからこそ信長の部下でいられたともいえると思うのですが)が描かれていまいた。 『毒を食らわば』 原田直正の口先三寸の出世物語。 …
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第149回直木賞候補作についての個人的ランキング

第149回の直木賞候補作を全部読み、感想をアップしたので以下にまとめてみました。 今回は湊かなえさんの本がなかなか借りられず遅くなってしまいました。 伊東 潤『巨鯨の海』(平成25年/2013年4月・光文社刊) http://50595192.at.webry.info/201308/article_19.html 恩田 陸…
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望郷(湊かなえ/著)

『みかんの花』『海の星』『夢の国』『雲の糸』『石の十字架』『光の航路』の6作からなる短編集。 ちょっと難しい話をさくさくっと読ませる手腕に感心しました。 同じ島が舞台でありながら、どの家族もかんでないところがむしろよかったです。 世間って、狭いようで広いような、広いようで狭いような。 日常って、抜け出したいようなそうでないような、このま…
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あとかた(千早茜/著)

『ほむら』『てがた』『ゆびわ』『やけど』『うろこ』『ねいろ』 共通した登場人物たちからなる短編集。 『ゆびわ』までは、なんてさらさらと流れる物語なんだろう、と思いましたが、『やけど』でずっしりと自分の底に何かが溜まっているのを感じました。 あとかた、という言葉は単独で使われることは(私の知る限りでは)なく、一般的にはあとかたもなく…
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ジヴェルニーの食卓(原田マハ/著)

直木賞候補読みの一環で手に取った一冊。 前回候補にあがった『楽園のカンヴァス』よりも私には読みづらかったです。 ストーリーより画家に焦点が合っていたせいかもしれません。 この本そのものを楽しむ、というよりは、この本を読んでからこの本に登場した画家の作品に親しめばこれまでと違った絵に秘められた何かを楽しめるのではないかと思いました。…
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