海に向かう足あと(朽木祥)

地球上にある美しい自然と、美しい自然が孕む危険を命を懸けて楽しむヨット乗りたちと、ひたひたと迫りくる世界の終焉が、最初は少しずつ、やがては密に絡まっていく様子に恐怖を感じました。
まとまった時間がなく一気読みすることができず数日に分けて読んだのですが、その間の夢見の悪かったことと言ったら…
情報化社会になり、知らない間にどこかで何かが起きているということが、隠ぺいされない限りはまずなくなったと言える現代。
その分、隠ぺいされているということへの恐怖や警戒心は昔より増したと思われるし、同時に知らない分からないとうことへの耐性が低くなったと思われる現代。
そんな現代では『どこかで何かが行われようとしているけど、それがいつのことでどのくらいの規模なのかはっきり分からない』というはかなりの恐怖なのだと思いました。
家族を持つことに希望が持てないという序盤の文が、物語の中の人たちが置かれている世界がはっきりとわかってくるにつれて幾度か繰り返し思い返されました。
行く当ても分からず、もうダメだとは思いながらも逃げようとする人々。
輝喜が歩いた、もうすぐ消えるであろうまだ形だけを残している日常の残骸。
もうすぐすべてが消えてしまうであろうと思いながらも、もう消えてしまったかも知れいない街に戻ろうとするハープのクルーたち。
生き残るということに希望が持てるのは、まだ生きる世界が残っているからなのだと思いました。
生きる場所が残っていない世界で生き残るってどんな終わりが待っているのだろう…
よりよいこと。
よりよいことを選択する余地は今の我々にはまだ残っているだろうか。

海に向かう足あと
KADOKAWA
2017-02-02
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