永い言い訳(西川美和)

幸夫の利己的なところも、故の破壊的なところも憎めません。
自分の存在意義が分からない人っていうのは、他人の存在意義にも気づきにくいものなのではないかと。
夏子はなんのために自分の生活の中にいるのか、その理由が分からないまま死という形で去られてしまったあとの幸夫の気持ちのやり場のなさ。
ずっと直視しないで来た、なぜ夏子が自分の生活にいるのか、ということへの回答を突然求められてしまったことへの、ひいては自分は夏子にとってなんだったのかということへの回答を突然求められてしまたことへの不快さ。
彼はその気持ちのやり場のなさと不快さを、自分と向き合うことではなく、大宮家に『表面上は頼られている』と感じることによって埋め合わせて誤魔化そうとしたのではないかと思います。
つまりその実は、幸夫のほうが完全に大宮家に依存していたということになるのですが。
人って良くも悪くも変わっていくんですよね、生きている以上は。
残された者の残りの生は、残されたことへの言い訳のためだけの時間じゃないはず。
言い訳するのを悪いとは言わないけど、言い訳はいつかやめにして残りの人生を歩いていかないと、という物語ということでいいですかね…?
心理小説は難解だなあ。
なんか、それとは気づかせないような、さりげなく静かなハッピーエンドだなあ、と思いました。

永い言い訳
文藝春秋
西川 美和

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