少年たちの終わらない夏(鷺沢萠)

感想を書くのは初めてだけど、もう何度目になるか分からないほどの再読。
さらっと読めるけどドロッと残るのが鷺沢作品。
今が一番楽しい、楽しまなくちゃ損、でも本当に楽しいのか?
いつまでも続かない夏、でもまだ終わらない夏、終わりにしたくない夏。
『少年たちの終わらない夏』
今が一番、今が最高、自分が一番、そのためならいかさまも人を傷つけることもいとわない。
自由気まま欲しいままに生きている真規を羨ましいと思うか者もいるかもしれない。
でも彼の親年齢になってしまった身としては彼のがけっぷち感が危うくて仕方ない。
『誰かアイダを探して』
アイダは、大人になった自分を見られたくなかったのだろうか。
いつまでも自由な子供のままでいたかったのか。
少なくとも、僕の前では。
それともすべての人の前から消えてしまったのだろうか。
それとも、アイダなんてそもそも存在しない、僕の中の子供時代の象徴だったのだろうか。
『ユーロビートは踊れない』
惹かれあってもどうにもならない関係がある。
どうにもならないからこそ惹かれる関係がある。
分からないからこそ惹かれることもある。
終わってもいいと思いながら生きている者と、未来を抱きながら今を愉しんでいる者の人生は、交わることはあっても重なることはないのでしょう。
というか、重ならない方が幸せなのでしょう、きっと。
『ティーンエイジ・サマー』
いつまでも子供でいられない。
いつまでも子供でいたい。
そのためにはどうしたらいいのか。
惜別の思いで過去を見送る時がだれにでもある。
楽しかった時を見送らなくてはならないときがある。
悔いを残さず、上手に、見送りたいと誰もが思っている。

少年たちの終わらない夜 (河出文庫―BUNGEI Collection)
河出書房新社
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