炎熱商人(深田祐介/著)

第二次世界大戦時における日本軍の行いも織り交ぜ、昭和46年秋に実際にあった事件をモチーフに描かれた作品。
すごく深かったです。
日本という国は、フィリピンに対し、戦時中は食料と命を奪い、戦後は木材奪い、この小説より後の時代では人権を踏みにじってきたんですね。

その国で仕事をするのに、その国のことを何も知らない人たち(内地の商社の偉い人)が机上で指揮を執ることに疑問を思わない日本商社の体質が生んだ悲劇と感じました。
一番、フィリピンという国のことを知ろうとしていた人物が恨みを買い惨殺される、というのは常に可能性としてありうる話ですね。
恨みを買うのも、謝罪をするのも、実際に極悪非道な指揮をとっている人ではなく現場の人間、そのシステムの端の人間なんですよね。

この事件が起きてのちも、似たような事件ってあった気がするのですが、日本のビジネスのシステムって基本的に変わってないんじゃないかと思います。
ただ、現地のために何かを残す事業を行っている、という建前を準備するようになっただけなのではないかと。

人物像がきちんと描かれていて、興味深く読むことができましたし読み応えもありました。

炎熱商人
文藝春秋
深田 祐介

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