それぞれの終楽章(阿部牧郎/著)

序盤はあまり魅力を感じませんでしたが、青春時代を過ごした地で、矢部宏が孤独感や疎外感を深めていくにしたがって引き込まれていきました。
やがて回顧される劣等感。
繋がっていたいという想いと断念。
そこまでが、訪問した地でのエピソードの中に描かれています。
そして居住地に戻ってからのエピソードの中で描かれる、墓を象徴とした未来に対して抱く不透明感と不安。
けれどもやがて、自分は一人はないのだと気づき、漠然と生きていた中に生きる光明を見出します。
ラストのまとめの展開がやや無理やりっぽいのが気になりましたが、親の人生を自分の中に感じてしまう嫌悪と、その嫌悪に歩み寄っていく様がよかったです。

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