マドンナ(奥田英朗・著)

奥田作品は、伊良部シリーズから入ったクチです。
伊良部シリーズのような破天荒な馬鹿馬鹿しさはなかったですが、この作品も面白かったです。

『マドンナ』と『ボス』は、どっちも妄想恋愛を描いているのですが、『マドンナ』は男の、生活に密接した妄想恋愛を、『ボス』は女の、憧れの君との妄想恋愛を描いていました。
が、密接型妄想をする女性もいるし、憧憬方妄想をする男性もいるし、どろどろしてないので共感する人は多いと思います。
私自身は。若い頃から恋愛にあまり興味がなかったので共感はなかったけど、他人の妄想を覗いてる感じがすっごく面白かったです。

『ダンス』は、以前ダンナと「もし息子がダンサーになりたいって言ったらどうする?」「もし娘がダンサーの彼氏を連れてきたらどうする?」と話題になったことがあるのでクスクス笑ってしまいました。
ダンサーの、社会的認定地位って低いんですよね。
踊りって芸術なんだろうけど、「流行の」ってだけでつぶしが利かないように言われてしまう。
歴史や実績がないんだから仕方ないんだろうけど。
新興宗教が、新興ってだけで冷たい目で見られるのとある意味似てるのかも…(失礼しました)
親って冒険にチャレンジしにくい人種だし、子供にも好き好んで冒険さようとは思わない、けど子供の人生は子供の者だって分かってる、けど…
親という立場の微妙なポジションをうまく描いてるなあ、と思いました。

『総務は女房』は、微妙。
だって、この主人公は地位も収入もあるけど、日本人の男性って、地位も収入もなくても家庭内で一番偉いのは自分だって思ってるフシがあるから。(苦笑)
まあ、専業主婦でいて困らないほどの収入があっても、専業主婦の立場を侮られるのがいやで働きに出る人もいるくらいだから、結局男って女を見下してないとプライドを支えてられないのかなあ、なんてちょっと意地悪い気持ちにさせられました。

『パティオ』は、主要人物の、人と人との距離感をつかむのうまさに感心しました。
大人ですね。
物悲しいテーマであるにも関わらず読後感が良かったです。

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