第10回浜松国際ピアノコンクール入賞者披露演奏会@紀尾井ホール5/21(火)

去る5月21日(火)、牛田さんの演奏に魅せられてからこっち、ピアノの海を漂流中に流れ着いた島のひとつ『第10回浜松国際ピアノコンクール』の入賞者披露演奏会に行って参りました。

牛田さんはロシアでの公演を控えていたため出演されませんでしたが、今回の入賞者は私の好みの演奏をされる方ばかりで、迷わず聴きに行くことを決めました。

【安並貴史さん】

B.バルトーク:「野外にて」より
 第1曲 笛と太鼓
 第2曲 舟歌
 第4曲 夜の音楽
 第5曲 狩


この曲には全体的に不穏な印象を抱いてしまう私は、ともすれば得も言われぬ不安を掻き立てられてしまうのですが…安並さんのピアノの音はずんずん来る低音も奥の方に常に優しさがある印象で穏やかな気持ちで聴くことができました。

E.v.ドホナーニ:「4つの狂詩曲」Op.11」より
 第1番 ト短調


この曲はよこすか芸術劇場でのリサイタルのときに4つすべてを演奏されていました。
浜コンでは第3番を演奏されていましたが、なかなか通しで聴ける機会ってないのかも?
いつか是非またすべての曲を通してお聴きしたいです。

【務川慧悟さん】

C.ドビュッシー:「前奏曲集第2集」より
 第6曲 風変わりなラヴィーヌ将軍


浜コンのときとは打って変わった?選曲でしたが、演奏は配信の時と違わずとても端正。
独特のカッコよさがあると思いました。
コミカルな曲調でしたが、きりっとした演奏がとてもよく似合っていると感じました。

 第2曲 花火

とっても限定的な印象ですが、浜コンから受けた限りの印象で言うならば「務川さんっぽい曲だな」と思いました。
きらめく珠がある法則に則って次々と転がり出るような音の広がりに花火が見えるようでした。

F.ショパン:バラード第4番ヘ短調Op.52

務川さんのショパンが聴けるとは!
しかもバラード第4番…とても素敵でした。温かくも切ない…
いつかまた務川さんのショパンをお聴きしたいです。

【今田篤さん】

F.ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」
 第1楽章 グラーヴェ-ドッピオ・モヴィメント
 第2楽章 スケルツォ
 第3楽章 葬送行進曲:レント
 第4楽章 フィナーレ:プレスト


今田さんは、実は浜コンの配信ではあまり印象に残っておらず「生で聴いたら自分なりに何か分かるかなー」と思いながら聴き始めました。
そして思い至ったのが…
今田さんの演奏は、小説などで言うところの余白がある演奏なのではないかと…
聴き手に考える余裕を与えてくれると言うか。
冗長とかつまらないって意味じゃないんです。
曲の感じ方を選ばせてくれると言うか…
うまく言葉にできなくてむずがゆいのですが、余白のある文章を書くというのは技術なので、演奏にそれがあるというのはとてもすごいことなんじゃないかと思いました。
つまりは印象に残らなかったのは恐らく私の好みの問題なのではないかと。
私はピアニストの作る世界に引きずり込んでくれる演奏が好みなので…
これはこの日の大発見だったかも知れません。

休憩

【イ・ヒョクさん】

I.ストラヴィンスキー:ペトリューシュカからの3楽章
 第1楽章 ロシアの踊り
 第2楽章 ペトリューシュカの部屋
 第3楽章 復活祭の市場


浜コンの配信の時も思ったのですが…なぜ激しい曲をあんなにサクサクと弾くんでしょうか…
少なくともサクサク弾いているように見えます。
私はヒョクさんの高音のきらっきらっ転がるような音が好きなのですが、バレエ音楽だと指が踊っているようでそれがまたたまらないです。
ところでヒョクさん、バレエ音楽がお好きなのでしょうか。
浜コンでもストラヴィンスキーの「火の鳥」とチャイコフスキーの「くるみ割り人形」を演奏されていました。
将来は指揮者になりたいとお話されたいたし、バレエ音楽の指揮が夢なのかな、なんて思いました。

【ジャン・チャクムルさん】

J.S.バッハ:イギリス組曲第6番ニ短調BWV811
 第1曲 プレリュード
 第2曲 アルマンド
 第3曲 クーラント
 第4曲 サラバンド
 第5曲 ガヴォットⅠ-Ⅱ
 第6曲 ジーグ


チャクムルさんのバッハ…きらめきはあるわ厳かだわで、天使が舞い降りてきてホールごと天に持って行っちゃうんじゃないかと思いました。
実はこの日、座席の関係か、ピアノの音がちょっと散って聞こえる感じがありまして…
このところ1F前列の、音がダイレクトに届く位置で続けて聴きすぎたせいもあるのかも?とも思いつつ…
理由はともかく、チャクムルさんの演奏からは音の散りが感じられなかったんです。
それが技術なのか演奏の世界に引き込まれ過ぎたせいなのか?それも全く分からないのですが。

F.メンデルスゾーン:幻想曲 嬰ヘ短調Op.28「スコットランド・ソナタ」
 第1楽章 コン・モート・アジタート:アンダンテ
 第2楽章 アレグロ・コン・モート
 第3楽章 プレスト

美しかったです。
とてもとても。
チャクムルさんはピアノの妖精です。
妖精が奏でている音です。あれは。

終演後すぐに会場を後にしたのですが、その時すでに開演から2時間半が経過していました。
でもとてもそんなに長かったとは思えないほどあっという間の充実した時間でした。
終電や翌日の仕事のことを考えてサイン会には並ばなかったのですが、本心ではみなさんにお礼を伝えるためにサイン会に並びたかったです。

とてもいい演奏会でした。
素晴らしい時間をありがとうございました。
またいつかみなさんの演奏を聴くことができますように。

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