満願(米澤穂信)

ステージの異なる短編をいくつも編み上げられるってすごいなあ、とちょっと頓珍漢な方向に感心しました。
共通するのは激しく静かな内に秘められた願い。
『夜警』
自分のミスを隠すために手段を択ばない人間っているけど…人の命も手段の一つとしてしまえるって…でも現実にもいないとは限らず…その死が不審死として扱われなければ成功ってことですもんね。
『死人宿』
他の作品とはちょっと落としどころが違うような?
命を救わせておいて、誰にもどうにもできない、って…。
なぜ助けさせたのか?
だって宿としては死人が出た方がいいんですよね?
ああそうか、人の命を自分の都合で命とも思わない扱いを佐和子がした、って解釈すれば前作と同じところに落ちるのかな。
『柘榴』
男の子は母と息子だけど、女の子は生まれたときから女対女っていいますけどね。
私にはイマイチぴんとこないのですが。
女に生まれつき備わっている怖さ、ってことなんでしょうけど、その部分が生まれつき欠如している女である私には頭では分かっても怖いと思えず残念。
『万灯』
やだねー。
国を支えているという自負のもとに間違ったことも正しいって歪曲して自分を納得させた上に罪のない人を恐怖に陥れるって。
いや、アラム・アベットの命についてを別にすれば、別にビジネスのために殺人を犯して殺人者になろうと好きにしてくださいって感じなんですけど、捕まりたくない気持ちが捨てきれずに伝染病を蔓延させるようなマネを…ああやだやだ。
ぞっとするより嫌悪ですね。
こういうビジネスマン、いなくはなさそうだし、そういう人たちにライフラインを支えられて生活してるだろうなあ、って思うとね。
『関守』
私にとっては一番リアリティがあって面白かったです。
「高田大志は、娘の二人目の旦那です」で先が全部読めちゃったけど。
それでも、というよりは、だからこそ面白かったです。
全く個人的な話なのですが、ミステリーは全く先が読めないと逆に面白みを感じなくなっちゃうタイプなので。
『満願』
序盤で、どこかで読んだことあるな…と思い、掛け軸で「ん?」と思い、達磨で「やっぱり知ってる!」って思ったらStory Seller vol.3に収録されていたんですね。
なので再読。一度目の感想はもうすでに忘れました(汗)
鵜川妙子にとって大事だったのは人よりも家だったのか…。
重治を支えてたのも家を支える気持ちから来てたのか?
時代設定が今じゃなくて古かったのは昭和じゃないと家を守るって感覚が不自然になるからだったんだろうなあ。

満願
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米澤 穂信

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米澤穂信 新潮社このミス このミステリーがすごい! 2015 発行年月:2014年03月 ページ数:


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