NewHistry人の物語(うつみ宮土理・鷺沢萠・佐藤正午・松本侑子)

鷺沢萠、松本侑子作品が読みたくて手に取りました。
『静かな家族』(うつみ宮土理)
幸せのものさしって人それぞれ。
見ようによっては母親がただ過去の恩義に囚われてるだけのようにも見えるが、本人がそのことに疑問を持っていなければそれは幸せなのだろう。
ただ、親の選択に従わなければならない子供にとってはどうなのか?
母親が揺らいでいないからよいのか。
この娘がたまたまそういう娘だったのか。
これからもこの幸せは続くのか…
手放しでよかったねと言えないハッピーのようなエンド。
『故郷の春』(鷺沢萠)
鷺沢作品で在日を扱ったものは多いけど、どれもこれも思た過ぎず軽すぎず、これが今の在日世代の現状なのかな?と思ってしまうけど本当にいいのかな。
この作品の語り手がたまたま私を同い年だったのもあって、近所に住んでいた同い年の子がいた在日家族を思い出しました。
その家族は在日だということを隠していて、日本にそこそこいる苗字を名乗っていたのだけど、ひょんなことからその家族が在日だっていうことを知ったとき「誰にも話さないでください」と懇願されたことがあったっけ…
考え方は人それぞれで、隠さないことを選ぶ人だっているわけで…在日ってひとくくりにするほうが間違いなんだろうな、と彼女の作品を読むたびに思います。
『愛の力を敬え』(佐藤正午)
自分の人生は自分のオリジナルだけど、もしかするとどこかで似通った人生を送り、似たような経験をしている人がいるかもしれない。
知らない間に行き違っていることの方が多いのだろうけど、もしその線と線が交わることがあったら…ちょっとくらい誰かの人生にちょっかいをだしてもいいかな、なんて思ってしまうかもしれない。
自分の人生がかわらないのならせめて、似ているあなたの人生に。
『引き潮』(松本侑子)
男と女の違いなのか、それとも築き上げてきたものがまだ手の中にあるものと捨てるものが何もない者との違いなのか。
現実を見ている女と夢を見ている男。
現実に流されて真面目に生きてきた男と同じく現実に流されて真面目に生きてきた妻。
美佐は、たゆたう快楽は欲しいけど、そのまま引き潮に飲まれる意思はもたないだろうと私は思う。

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