神様のカルテ3(夏川草介)

1、2に引き続き、医療現場、中でも医療過疎地の医療スタッフのハードさが淡々と綴られているなあと思いました。
自分の生活はどこへやら、ハードワークなのにそれを当たり前と思って勤務している本庄病院のスタッフには頭が下がります。
小説だから、と言ってしまえばそれまでですが、生活の中心を仕事に持って来ないとできない業務であろうことは現実に違わないでしょう。
2では進藤先生(タツ)の言動の元となるエピソードや裏に隠された人物像が知られていく過程が描かれていましたが、今回は小幡先生がそのポジションでした。
この作品の面白さは、医者にも自分のプライベートがあるのだという当たり前だけど普段は意識されない面が描かれていることもあると思うのですが、本当の面白さはそこではなく、医師だけでなく、看護師然り、患者さん然り、人間の言動には必ず裏打ちがあり、それを描くことによって、生きること死ぬこと人生において戦うことを表現しているところだと思うのです。
人にはそれぞれここまで来る人生があったのだ、それを忘れずに業務にあたれる栗原先生はとてもステキな先生だと思います。
そして、栗原先生がそういう先生であることがきちんと描かれているからこそ島内老人の態度が腑に落ちるのだと思います。
栗原先生が患者の人生に思いを馳せられる人であることがきちんと描ききれてなかったら、ご都合主義にしか見えない展開になってしまったんじゃないかな、と思います。
どんな医療を受けるかも重要だけど、どんな考えを持った医者にかかるかも患者にとっては大事なことなんだろうなあ、としみじみ感じました。

神様のカルテ 3
小学館
2012-08-08
夏川 草介

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夏川草介/著出版社名 : 小学館出版年月 : 2012年8月ISBNコード : 978-4-09-3


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