月と蟹(道尾秀介/著)

面白かった、というには重い話でした。
これまで読んできた道尾作品は、重い作品でありながらも遊んでる部分があり、それが軽薄に見えてしまい、作品の質を落としていると感じていたのですが、この作品にはそういう部分がないと思いました。
終始重苦しく、閉塞感と、逃げられないのだという、見えないものにがんじがらめにされた感覚が付きまとい続けました。
読後も、暗さは残らないものの、どんよりとした澱のようなものがしばらく胸にたまったままでした。
この重さ、私は好きですが、お好みでない方も多いのではないでしょうか。
子供の残忍さと、残忍さに対するためらいのなさが全体に漂っており、作品を盛りたてていると思いました。
この物語の時代背景って、織り込まれた時事ネタから推測すると約25年くらい前ということになり、バブル景気の頃かと推測されますが、その後の時代を彼らが生きることを考えるととてもいい未来が待っているとは思えず…作者がそこまで加味してこの時代を選んだとしたのなら、それもかなり興味深く効果的であると思いました。

月と蟹
文藝春秋
道尾 秀介

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