野火と春風は古城に闘う―中国現代文学選集12長編小説Ⅳ(李英儒/著・立間祥介/訳)

第二次世界大戦下、日本軍によって奪われた自国を取り戻すために活動する共産党員の話です。
いわゆる、教科書ではスルーしがちな部分が描かれています。
日本軍、日本軍に阿って甘い汁を吸う占領地の上層部、貧しい生活を余儀なくされる人民。
その中で、本来の自国民としての姿を取り戻すために、自分の命を賭けた共産党員の活動は読み応えありました。
党員になる程の意志は持ち合わせていなくても、町の人たちがさりげなく手を貸すところから、誰もが国民としての本来のプライドを捨てずに生きていることが伝わり、思わず頑張れ、と思いました。
知識としてはありましたが、かつて日本人はこんなひどいことをやっていたのだ、と改めて突きつけられました。
とは言ってもこの作品は、日本軍の暴挙や惨状を中心に描かれているわけではなく、どちらかというと、そこで生きる人々の逞しさと不屈の精神が描かれています。
途中、仲間と思っていたものが寝返ることもあり、後半部分は息もつかせぬ展開が待っていました。
読後は、感動とはまた違った静かな思いが残ることと思います。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 『り』から始まる作家さん

    Excerpt: 李英儒(リーインルー)  野火と春風は古城に闘う―中国現代文学選集12長編小説Ⅳ  http://50595192.at.webry.info/200908/article_1.html リトワ.. Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2009-08-05 17:15
  • 読書感想文コンクールの課題図書(高等学校編)

    Excerpt: 子供の頃、夏休みに頭を悩ませた人は多いと思う読書感想文コンクールの課題図書。 読みたくもない本読まされる上に感想文まで書かされるという地獄の宿題(笑)。 あの頃はあんなにイヤだったのに、最近になっ.. Weblog: 読書感想♪だってそう思っただけ♪ racked: 2009-08-05 17:24