神の汚れた手(上)(下) (1979年)(曽野綾子・著)

まず第一に、登場する野辺地貞春なる産婦人科医が人としてとても魅力的です。
その後彼はどんな生き方をしたのか、その後が気になる作品でした。

作品中、「健常児よりもハンデのある子を引き取って育てることに意味を感じる」というキリスト教徒に対して、「宗教を持つ人間は強い」みたいなことを野辺地氏が述べる下りがありますが、本当にそうだと思いました。
けど日本人の場合、宗教を持たない故に「選べるなら立派な子供がいい」って思うんじゃないと思いました。
歴史上、日本人が宗教を持つ機会っていくらでもあったと思うのです。(私的見解)
けどついぞ日本人が宗教を持たなかったのは、日本人が類稀なる利己的な民族だからではないでしょうか。
それは今の社会を見れば歴然。
自分の思い通りに育たないからと、平気で我が子を精神的に見捨てる親のなんて多いこと!!
躾の放棄、子供の行動に対して責任を持たないなどがそれだと思う。

と熱く書いてしまいましたが、この本のテーマはここじゃなくてこっちかも。↓
人間はいつからか生命を選べるなんておこがましいことを考えるようになってしまったけど、本当は人間の届かないところで神の力が働いてるんだ。

これだけでなく、他にも読み取れることは色々あると思います。
読者の数だけ解釈があるんじゃないかなあと思います。
それだけ深くて多面的な作品だと思います。

最後に、私が一番印象に残った一文はこれ。
『神の手さえも、働く時は汚れるんですよ。というか汚れていなければ、実際は働けんのです』

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