蔭桔梗(泡坂妻夫・著)

どんな話なのか全く予備知識のないまま読み始めたら、いきなり家紋の話が始まって「面白いのか?」「理解できるのか?」と疑問を持ちましたが、思いのほかさらっと面白く読めました。
短編集ということもあるのかも知れませんが。

『増山雁金』
うんうん雁金がツボに入りました。
登場人物のやり取りを見ているうちに、まるで正規の言葉のように思えてきました。(正規の言葉ではないですよね?笑)
ダイレクトではなく、さりげなく描かれている恋愛が良いです。

『遺影』
うーん、面白くはあったのですが理解しにくかったです。
康江と牧子のやりとりって、康江にとっては夢か不思議現象だったのでしょうか?
そのあたりの曖昧さが、私にはイマイチでした。

『絹針』
これは、あんまり面白さが分かりませんでした。残念。

『簪』
私も、同じ簪だと信じています。

『蔭桔梗』
大事な人とは、きちんと話をしなければいけません。
疑問に思うことがあったら、きちんと問い質さなければいけません。
溝はできたらすぐ埋めないとね。
けど、ハッピーエンドになりそうでなにより。

『弱竹さんの字』
知らず知らずのうちに、自分が何気なくやっていることが誰かに人生の大きなきっかけになっていることは稀にあること…なのかも知れない。

『十一月五日』
元歯科技工士の私、序盤でいきなり技工の名人が出て来て「おお!これは!」と食いつきました。
が、がっかり。
作者はきちんと技工というものを知らぬままに書いちゃいましたね…。
義歯の歯は、残念ながらその一本一本を技工士が作ったりはしません。
なので、彫刻的センスは義歯には生かされません。
まあ、あえて生かされるとするなら歯ではなくて歯肉のぶぶんですね。(笑)
これが前装冠だったらアリですが。
私が元歯科技工士だったがために粗が見えちゃってこの話はダメでした。(苦笑)

『竜田川』
この人の作風として、核心は曖昧に終わらせるんですね。
それが楽しめるか否かの分かれ道かも。
うーん、私は消化不良に感じてしまうタイプみたいです。

『くれまどう』
静乃をかわいらしく感じたのは私が女だから?
気持ち分かる~とは思えなかったけど、なんか、変な表現だけど、いじらしかったです。

『色揚げ』
何かのために真実を隠すって、他の何かを犠牲にすると思う。
長い時間をかけて、お互いの環境や条件が変わった今、二人が幸せになることを願います。

『校舎惜別』
オットにまつわる話は面白かったのですが、川島先生が主になるあたりが良く理解できませんでした。
面白さはどこ?作者は何を伝えたかったのかな?

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