憑神(浅田次郎・著)

史実を使った小説は結構好きです。
捻じ曲げちゃいけない部分を巧みに使って遊びがうまく絡まっていると、「おお!面白い!」と思います。

この作品でいうと、歴史に残る人物のインパクトのある死や、新種の病気の大流行が憑神の仕業だってあたり。

加えて、浅田次郎さんの場合、浅田氏独特の遊びがところどころにあって、それがまた面白いです。

今回の作品で言えば、憑神祓いのくだりで、主人公である彦四郎がお祓いをされながら…
「胡散臭いなあ」と思いながらも、「これはだめだろう」「だめではないかもしれぬ」「これはいける」とだんだん信じていく辺りがリアルで滑稽でくすっと笑ってしまいました。
「護摩化す」のところはツボでした。

あとは、三巡だから神様は三人で、「貧乏神」「疫病神」ときたら次は…の下りがどきどきしました。
けど、そのどきどき感の割にはその後がいまいちだったかも。
盛り上がった割には肩透かしを食った感じ。
幼子の姿をした最強の「死神」って設定はすごく魅力的だったのに、最強って感じがしませんでした。
もっと極悪非道なのかと思っていたら、前出の二人の神様よろしく人間くさくて…ちょっとがっかりしました。

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