プラナリア(山本文緒・著)

山本文緒作品に初めて出会ったのは私が高校生の時、コバルト誌上(当時はまだ季刊誌だった)でした。
デビューから数年しか経っていない頃だと思います。
なのでかなり長いこと山本作品を読んでいるのですが、コバルト誌上で読んでいた時の感想は「この誌には異色」のひと言でした。もちろん面白くはあったのですが。
テーマや描かれる主人公の視点が変わっても、作品の底にあるものは長いこと変わらず、その山本カラーが好きでした。
なのに…プラナリアにはそのカラーがありませんでした。
あとがきにおいて著者のお話として、直木賞を取るために書いた作品、というくだりがあったと思うのですが、まさにそんな作品でした。
直木賞受けするように、うまく山本カラーが隠されているように感じました。結果、私にはがっかりの一冊でした。
賞が欲しくてそれ向けの作品を生みだし、目論見通りに賞を取る、それはとてもすごいことなのだと思いますが、そのために自分らしさを押し殺した作品を世に出してしまうなんて…
こんなことを思うのは私だけかな、、、他の山本作品(読んでいないものもありますが)の多くは大好きですがこれだでは私にはどうもダメです。
この作品が山本作品との初めての出会いであったなら、とても面白く読めたのだろうとは思えます。

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